夏から秋にかけて相模湾や伊豆諸島周辺の船釣りで人気なのが、カツオやキハダマグロを狙ったコマセ釣りやルアー釣りです。青物特有の強烈な引きが楽しめるため、多くの釣り人が夢中になるシーズンですが、その中でしばしば姿を見せるのが「メジマグロ」。見た目は小型のキハダによく似ていて、1〜3kg程度のサイズが多く、釣り上げると「お、ちょっと良いサイズのカツオかな?」と思うこともあります。

しかし、このメジマグロは持ち帰ることが禁止されています。なぜ禁止なのか、そして万が一釣れてしまったときにどう対応すべきかを整理してご紹介します。
メジマグロとは?
まず、誤解されがちな点から。メジマグロは「別種のマグロ」ではありません。正式にはクロマグロ(太平洋クロマグロ)の幼魚であり、大きく成長すれば数十キロから数百キロに達する将来の大物です。釣り人の間では便宜的に「メジ」と呼ばれていますが、その実態はクロマグロ資源の一部であることを覚えておきましょう。
水産庁が定めるガイドラインでは、30kg未満のクロマグロ(=メジマグロに相当するサイズ)の採捕は禁止されています。これは遊漁者も商業漁業者も同じルールであり、全国的に守らなければならない取り決めです。
ちなみにメジマグロの見分け方は上ビレが黄色で下ビレが白色になります。なので釣った時に見分けるのは簡単です。判断つかなかったらリリースしましょうね

※水産庁HPより
なぜ釣ってはいけないのか?
理由は単純で、資源を守るためです。クロマグロは国際的にも資源が減少しているとされ、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)という国際機関が漁獲規制を行っています。日本もその枠組みに従い、漁獲枠や採捕禁止ルールを設けています。
もし幼魚のうちに大量に釣ってしまえば、大型個体まで成長できず、将来的な資源量が減ってしまいます。つまりメジマグロをリリースすることは、未来のクロマグロ釣りを楽しむための「投資」でもあるのです。
釣れてしまったときはどうする?
とはいえ、実際の釣り場でメジマグロを完全に避けることは難しいです。カツオやキハダを狙っているときに混ざって掛かることは珍しくありません。そのときは、速やかにリリースすることが義務付けられています。
具体的な対応は以下の通りです。
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ハリを外すときは丁寧に:プライヤーを使って素早く外す。魚体を傷つけないように心がける。
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魚体を長く出さない:船上に長時間置くと弱ってしまうため、撮影する場合も短時間で。
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リリースはやさしく:水面近くで持ち直し、魚が自分で泳ぎ出すのを確認してから手を離す。
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周囲への配慮:船長や船宿の指示に従うこと。特に遊漁船ではアナウンスがあるので必ず守る。
この一連の行動を徹底することで、メジマグロが元気に海へ帰れる可能性が高まります。
持ち帰るとどうなるのか?
「せっかく釣れたんだから…」とクーラーに入れてしまうと、それは法律違反になります。水産庁のガイドラインでは「30kg未満は採捕禁止」と明確に定められているため、違反すれば処罰の対象となりかねません。
また、30kg以上のクロマグロを釣った場合も注意が必要です。この場合は採捕禁止ではありませんが、報告義務や採捕枠が定められています。遊漁者も釣った魚のサイズ、場所、写真などを報告しなければならないルールです。
初心者や観光客こそ注意を
実際の釣り場では、初心者や観光で遊漁船に乗った人がルールを知らずにメジマグロを持ち帰ってしまうことがあります。本人は悪気がなくても、船宿や他の釣り人に迷惑をかけてしまいますし、最悪の場合は法的な問題にも発展します。
釣行前には必ず「対象魚」と「禁止魚」を確認しておくことが大切です。特にマグロ・カツオ船に乗る場合は、メジマグロをどう扱うかを理解してから竿を出すようにしましょう。
まとめ
メジマグロはクロマグロの幼魚であり、30kg未満の個体は採捕禁止。もし釣れてしまったら、速やかにリリースするのが正しい対応です。
資源を守るためのルールは一見厳しく感じるかもしれませんが、未来のクロマグロ釣りを楽しむために必要なこと。かわいらしいサイズのメジも、いずれは数十キロの大物となって海を泳ぎます。そう思えば、海に返す手も自然と優しくなるはずです。
これからも長く楽しい釣りを続けていくために、一人ひとりがルールを守り、資源保護に協力していきましょう。
